平湯モデル図書館パンフレット第2版
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暖かい色合いの瓦屋根と、ヒューマンスケールの校舎に親しみをおぼえる。木の香る玄関をくぐると、真っ先に、図書館に迎えられた。̶ 学校の中心に図書館を牛久市立ひたち野うしく小学校は、流入人口の増加に対応して、市内で23年ぶりに新設された8校目の小学校である。安全面はもちろん、建築で教育を支えようとする意志が具現化された校舎となっている。学校があるひたち野地区では、商業施設や住宅が建設され、若い世代が増え続けている。そこで重視されるのが新しい世代を育む教育環境づくりである。大切な教育環境のひとつである図書館は、児童の動線が集中する昇降口の前に立地されている。校長先生自らが読み聞かせを行うなど、読書教育に力を入れる同校の、たくさんの子どもたちに利用してほしいという強い思いが込められている。̶ 招き、迎え入れるしつらえ奥行きのある広さも特徴の図書館。子どもたちにとって最良のプランを模索する中、平湯モデルに行き着いたという。まず、中の様子が良く見えるように、入口は床までシースルーで、窓も3面に広くとってある。興味を抱かせるように、展示や掲示も充実しており、貸出や返却で集まる児童が受け入れられる広々とした空間で、木のカウンターに、やさしく、迎えられる。̶ 周到なレイアウトと動線計画新着書や展示コーナーを眺めつつ、子どもたちが足を向けるのが、読みものと絵本を集めた「楽しみ読みのエリア」。本に親しんでもらうため、楽しく読める本が集められ、表紙を見せて配架されている。絵本のコーナーには柔らかいカーペットが敷かれ、1クラスが読み聞かせできる。こうしたレイアウトや配架は、全て利用者の目線で考えられている。動線は誘い導くように計画され、低くスリムに設計された書架は、低学年生でも見通せて本が探しやすくなっている。館内は広々と感じられ、サービスと管理も行きとどく。̶ 2クラス同時の調べ学習にも対応にぎやかな「楽しみ読みのエリア」に対して、はっきりと分けられているのが「調べ学習のエリア」。2クラスが同時に利用できる学習スペースが確保されている。1クラスずつ理科系と文科系に分かれているので、それぞれが交錯することも少なく資料が探しやすい。このエリアからは、隣のコンピューター教室につながり、幅広い調べ学習も可能となっている。̶ 地域で作りあげる学校今回の整備は、基本計画から意匠設計、監理に至るまで、牛久市の内部設計で進められた県内でも初めての試みという。地域への愛情と理解をもとに、風土や文化が生かされた新しいモデルケースだ。安全で豊かな学習環境と併せて目指されたのが、地域の核となる学校。図書館があり、グラウンドに面した管理・特別教室棟は、独立して地域開放が可能となっている。今後は、生涯学習や交流の場としての活用も期待されている。̶ハードで変わる子どもたちの成長図書館は元より、校舎全体の大きな特徴は、内装全体の徹底した木製化だ。木が香り、ぬくもりが感じられる校舎では、不登校の児童も減り、教職員も気持よく仕事ができるなど、その効果がすでに現れているという。校舎が子どもたちの成長を支え、変えていく。笑顔があふれる世界一の小学校を目指す同校の未来に夢が膨らむ。牛久市立ひたち野うしく小学校-Hitachino Ushiku Elementary School-13Change! Library学校図書館

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