平湯モデル図書館パンフレット第2版
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授業終了のチャイムが鳴り、図書館へ次々とやってくる子どもたち。小・中学生共用の図書館は、広さの確保や館内の見通しに十分配慮され、エリア分けがなされている。楽しみ読みのエリアの図書は、中学生にも気軽に読んでもらえるように小学校中高学年を中心に構成している。展示台/子どもたちがひき寄せられるような、わくわくする演出がなされている。市民・行政・学校と専門家が共につくった図書館大内小学校は、2013年に2つの小学校を統合して大川中学校内に併設・開校された。小・中連携教育を行っており、図書館をはじめ小・中学生が共用する施設は、双方の教育および生活面をつなぐ重要な役割を持つ。また、理想的な学校図書館の実現には、施設づくりはもちろん、本の整理や管理、司書の研修といった下準備も大切になる。そのためには、学校と行政が計画段階から協力し合い、理想の形を目指して積極的に活動していくことが必要とされる。̶ 〝子どもたちには図書館が大切〞 という思いが原点に「私は小学校時代から〝学校図書館は大切〞という思いを持っていました」と語る東かがわ市教育委員会事務局の赤澤氏。その思いを、図書館の重要性を見直すという文部科学省の動きや、専任の司書を置くという市の方針が後押しして、大内小学校に理想的な図書館をと考えるようになったのである。まず、学校図書館学を専門とする四国学院大学の田中紘一教授からその役割や重要性について学んだうえで、市民から提案された平湯モデルについて検討することになった。赤澤氏は、平湯先生を長崎に訪ね、その折りに平湯モデルの大木町図書・情報センターなどを見学。明るい館内で自信を持って仕事をする司書を見て、こういう環境を大内小学校につくりたいと実感したという。その後も、赤澤氏は平湯モデル図書館に幾度か足を運び、平湯先生に図書館づくりのプラン作成を依頼して、ようやく、行政と学校、そして協力した市民や専門家の方たちの思いが結実して図書館ができあがっていった。̶ 次々来館する光景を夢見て平湯モデルを提案「大内小学校へは、読み聞かせボランティア「こそあど」のスタッフとして、時々出かけています」と東かがわ市民の狩野さん。平湯モデルと出会ったのは、「学校図書館を考える会・丸亀」の事務局にいたときで、「学校図書館を考えるつどい」で聞いた平湯先生の講演でのお考えが心に残っていたという。大内小学校に新しい図書館ができると聞き、ぜひ子どもたちにいい図書館環境をと思って平湯モデルを提案したのである。「先日、図書館で読み聞かせの報告会をしていると、授業終了のチャイムが鳴り、子どもたちがど東かがわ市立大内小学校・大川中学校 Change! Library学校図書館-Higashikagawa City Ochi Elementary School and Okawa Junior High School-15

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