平湯モデル図書館パンフレット第2版
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福岡県の南西部、九州の穀倉地帯筑後平野のほぼ中央に位置する大木町。「成長から成熟するまち」を目指した施設整備の中心に、図書館が据えられた。̶ 循環のまちづくりで、既存施設を有効利用町役場に隣接した築30年の「就業改善センター」。公民館機能を担ってきたが、使い勝手が現状に即さず、図書室も狭いなど、利用が限られていた。そこで、町の情報センターとして、図書を充実し、情報発信、交流の場となる図書館へ改修が図られた。̶ 図書館へのコンバージョン人が集まる図書館にするため、平湯モデルにより、既存施設の改修方法から計画が練られた。まず、既設の内壁の大部分が撤去され、明るく開放的な空間が確保された。中央に、一階と二階をつなぐ吹き抜けが設けられ、やさしい階段も新設。上下階の一体化がはかられた。こうして、1階に落ち着いた一般のエリア、2階に、親子が楽しめる活気のあるエリアといった大きなゾーニングが行われる。開架の収容冊数は6万冊が確保された。̶ 子どもを第一に考えたプランニング「暮らしのコーナー」や「ティーンズルーム」など、多世代が楽しめる2階。特に、全体の4割を占める児童書が配架された「こどものエリア」は広く、子どもを第一に考えた町の思いが現れている。湾曲した絵本架が長く続き、たくさんの表紙が並ぶ「絵本のコーナー」は、本に触れる格好の場となっている。当初、2階に子どものエリアを設けることに、安全面や利便性から異論も出たと言う。しかし、1階に比べより広いスペースが確保され、安全に配慮された吹き抜けと階段もできると、子どもにも大人にも楽しく受け入れられることとなる。̶ 多彩な機能を集約1階は、町の情報センターとして、公民館やまちづくりセンターなどの事務局機能も担えるようになっている。改修と併せて増設されたのが、表に面したガラス張りの部屋。外に向かって呼びかけるように、中の様子を見せている。雑誌を置いたブラウジングコーナーで、20人は利用できる広さがあり、交流スペースとしても利用できる。̶ 期待されるこれからの利用開館から5年を迎え、利用者は着実に増えてきている。現在、より本に親しんでもらうため、図書館便りを毎月全戸に配布し、本や催しを案内するほか、ブックスタートや幼・保育園・学童保育所への読書支援セットの貸出など、幅広いサービスも始めている。図書館を中心に、読書が町全体に広がっていく期待をこめて。大木町図書・情報センター「こっぽーっと図書・情報センター」-Oki Town Library-23充実した「絵本のコーナー」。表紙を見せた絵本が並び、思わず手にとりたくなる。こどものエリアの隣に「暮らしのコーナー」。親子が一緒に楽しめる。一段高く、半円形の「お話のコーナー」。暖色を使ってあたたかい雰囲気に。施設整備で必要とされたのが、「図書・情報」、「展示・ホール」、「町民活動の支援」の3つの機能。「循環のまちづくり」により、既存施設が再利用される。図書館のほか、「アリーナ」が「多目的ホール」へ、「保健センター」が「子育て交流センター」へとリニューアルされ、「こぢんまりとして、くつろげる」という意味の方言で「であいの広場こっぽーっと」と名付けられた。■ 福岡県三潴郡大木町■ 人口 14,512人■ 2010年5月開館■ 開架面積 1階 約290㎡ 2階 約430㎡■ 収容冊数 約6万冊(2014年5月末現在)※開設当初はまちづくりセンターの事務局機能をセンターで担えるようにスタートしましたが、平成24年度に計画の一部見直しが行われ、まちづくりセンターの機能については別の部署に移されました。既存建物の用途や機能を変更して、再利用すること。コンバージョンとはChange! Library公共図書館※

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