SCENE66
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「グリーンハーバルガーデン(中庭)」は、3階から8階まで吹き抜けており各階から見下ろせます。また2階のテラスまで段状につながる外部空間により、南側へ開放されています。岐阜大学の敷地内にあるので、岐阜薬科大学としての独自性を併せ持つことも必要です。だから、ここを岐阜薬科大学の学生の拠り所となるミニキャンパスと位置づけて、コミュニケーションや憩いの場にしました。知らない人同士がベンチに腰掛けたときでも、薬草が会話のきっかけになります。薬草はまだ小さいですが、育って植え込みから緑があふれ出てくることを想定しています。 グリーンハーバルガーデンには、できるだけ多くの自然光が必要です。だから、南面の廊下(展望ブリッジ)の幅と中庭へ向けたテラスの配置を検討し、広いガラス面から太陽光をより多く取り込めるようにしました。展望ブリッジは南の市街地側に向いているので、廊下を歩く人は岐阜の市街地を望むことができます。その風景を学生の記憶に残せたらと思っています。目指す薬学教育・研究のために、独自のフロア構成 グリーンハーバルガーデンを中心に、ぐるりと囲む廊下などで回遊性を持たせています。回遊性は、ものを考えるという意味でも大事です。1~2階には講義室や会議室が集まっています。3~6階は実験室と教授・教官・学生の居室があり大講座ごとにユニットとしてまとめられ、1フロアに4ユニットを基本として設けています。岐阜薬科大学新学舎は研究・実験色が強く、組織として大講座制※を採用しています。基本的なフロア構成は、コミュニケーションの促進を念頭に置いていますので、実験室などを外側に、先生と学生の居室やゼミ室、談話コーナーなどの室を内側に入れて中庭に向けています。7~8階は、創薬医療情報を研究する、岐阜大学との連合大学院等が使用します。※大講座制:近年、柔軟な教育研究体制の確立を目的につくられた研究組織。「環境にやさしく、安全・安心な施設づくり」は大学の基本理念 薬品を扱う大学で安全性は必須であると同時に、災害時における施設間の連絡にも配慮して免震構造を採用しました。また環境への配慮として太陽光発電、グリーンハーバルガーデンへの雨水利用を、環境負荷の抑制として地熱利用をするクール・ヒートトレンチ、西側のメカニカルシャフトを外部ルーバとして使い西日の遮断を行っています。さらに雨水貯水槽を設け、大雨等の時に施設に降った雨を蓄え、施設外への影響を最小限にしました。こうしたさまざまな気配りは、環境と建物を「つなぐ」コミュニケーションであり、サスティナブルな面から今後はより大切になってくると思います。 最後に、岐阜薬科大学が地域や市民さらには地球環境へとつながり、大学から発信されるメッセージが、薬草・薬木の緑とともに、教育・研究の枠を超えて地域の健康づくりに生かされることを熱望しています。そして何より、豊かな感性を持った学生が未来へ羽ばたく大学になればと願っています。「グリーンハーバルガーデン」は、コミュニケーションの中心09SCENE2階 第2講義室(150席)/講義デスク・イス:SCF-PF-5505-7(AC・LANコンセント付)、移動席デスク:SCF-PF-5505T(AC・LANコンセント付)、移動席イス:SCF-5505C2階 大学院講義室/デスク:SCM-750-3T/B、イス:PAG703S-JC2階 コミュニケーション実習室/ビアネロ(タブレット付)1階 エントランスホール/アイネックスKシリーズ(特注品)2階 テラス/アイネックスランドスケープ(縁台特注デザイン)Gifu Pharmaceutical University岐阜薬科大学

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