SCENE67
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03SCENE メジャー・マイナー学習を進め、 柔軟に考え対応できる人材育成を 総合情報学部は総合情報学科という1学科のみです。カリキュラム体系は、情報科学・環境情報・心理情報・メディア文化と4つの系を設けました。授業科目に必須は少なく、選択科目を多く設けています。幅広く学べるように配慮し、例えば、心理情報系を専門に学ぶ場合では、情報工学の基礎や人間の心理などを同時に選ぶことが可能です。メジャー・マイナー学習と呼ばれる方法で、専門の学系を学ぶとき、同時に2つ以上の学系の授業科目を選択し学習することです。そうすると、社会に出たときに柔軟な対応ができるようになります。例えばマーケティングの仕事をした時に、単にデータを分析するだけでなく「こんなアンケートを取ったらどうか」というように、何ができるかを考えられる人間になるのではないでしょうか。こういうことは、コンピューターサイエンスの狭い世界だけを勉強する情報学科にはできません。 高校生から社会人への意識改革をさせるのが、 自主ゼミの目的 学内で意識改革を進めるために、まず昨年度は1年生を対象に、単位なしの「自主ゼミ」を始めました。若い学生達に学びの自主性と可能性を感じてほしかったので、担当の先生ひとりが進める通常のゼミとは違い、4つの系から文理を超えた先生方がグループで参加してゼミをやり、学生も自ら積極的に参加する形にしました。学系の融合や統合ではなく、それらを超えた新しい学びの概念を創りたいと考えたのです。自主ゼミでは、学生にOSS(オープンソース・ソフトウエア※)に挑戦させたり、ドキュメント制作の先生が、「オリンピック誘致」をテーマに、どう誘致するかを考えさせたり調査させたりしました。そして学期末に発表したのです。 高校生は1人で与えられた問題を解くだけですが、社会人はさらにグループで活動し、どこに問題があるかを見つけ出す。また人的ネットワークの広さも社会人として活躍できる条件になります。高校を出て社会へ移行する大学時代に、グループで切磋琢磨しながらひとつの課題を解決していくゼミは、大学1年生にとって有効です。学年が上がると、文献を調べたり調査に出かけたりして、さらに深く課題を追究していきます。その方法を教えるのが講義や演習です。演習は大事ですが、現実の世界から離れないよう、さまざまな企業の専門家に実践の特訓をお願いしています。 総合情報学部が目指す教育システムは、 「デザインシンキング」 欧米では、「デザインシンキング」と呼ばれる教育システムが新たに始まっています。ここで言うデザインは、日本で一般的に言われるデザインとは少し違って、ポリシーデザインつまり企画するというような意味合いです。経済、社会、工学など様々な分野の先生や学生、そして企業の人たちが集まって、あるテーマをもとに、絵や図まで駆使し専門を超えて話し合います。そこから新しいアイデアが出てくるのです。 総合情報学部も、チャレンジャブルな学部ですから、学生にとっては卒業してどういう職業に就けるか心配ですよね。その対策を、今年の秋学期から取り組もうと考えています。研究者という道もありますが、ネットワークも含め情報分野の学生は、社会の役に立たないと価値がないと思います。だから社会にどう出ていくか、社会がどう受け入れてくれるかということが大事になります。学生には4年間ベストを尽くして、その道でやっていける自信をつけてもらいたい。それを補完するために、産業界との提携や特別課外講座を行っています。さらに来年度の3年生からは、1ヵ月ほどの長いインターンシップを経験させようと計画しています。企業にとっては迷惑かもしれませんが、こちらも、自信を持って送り出せる学生を推薦するつもりです。1~2週間のインターンシップではなく、実際のプロジェクトに加わってもまれることに意味があります。学生はそこで現実の世界を知り、理論を勉強し直すのです。 また国際的なコミュニケーション力を養うために、英語は日常会話で対応できることを重視したTOEICをベースとした教育をします。当大学では、1・2年生は必須、3・4年生は選択で、課外特別コースも設けネイティブに来てもらって特訓します。 学生、先生、職員、そして企業といった、多彩な方たちのグループ活動が、知の生産を活性化させ、グローバル化するコンピューター・ネットワークに対応できる人材の育成に役立つと考えています。※プログラム設計図に相当するソースコードが公開されているソフトウエアで、通常は無償。代表例はOSではLinux(リナックス)など。カリキュラム体系と卒業後の進路企業人・教育者・研究者…行政官カリキュラム体系と卒業後の進路進路企業人・教育究者…行政官究究究究育者育者育者究究研究育者育者究究者者究研究者究者・研究情報科学系環境情報系心理情報系メディア文化系環境プランナーITの解る企業人経営コンサルタントCGアーキテクトコンテンツクリエーターメディアアーティストシステムエンジニアプロジェクトマネージャービジネスアーキテクトマーケティングリサーチャープロダクトプランナー産業カウンセラーコンピュータサイエンスとシステム開発をテーマに、基礎から最先端まで幅広い情報技術を習得する人と人のコミュニケーションをテーマに、いろいろな角度から見た心理学や統計学、ICTの知識などを習得する自然環境と企業活動の関係、ビジネスや都市の環境などをテーマに、企業経営やIT利用のマーケティングなどを習得する情報コンテンツの設計とメディアデザインをテーマに、画像・映像の処理技術や、Webなどメディア全般について考え方・創り方を習得する東洋大学 川越キャンパス 7号館 総合情報学部TOYO UNIVERSITYFACULTY OF INFORMATION SCIENCES AND ARTS

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