SCENE68
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埼玉県獨協大学 東棟12SCENEDOKKYOUNIVERSITY 環境と情報をテーマとした新学科が これからのキャンパスをつくる鍵に キャンパス再編過程から見えてきた新しい教学が、環境教育です。今はまだ、環境や情報を組み合わせたような組織とカリキュラムを持った新学科ができないだろうかという段階ですが、重要なテーマと捉えています。 4つある研究所の中で、特に環境共生研究所と地域総合研究所は、地域と共に活動するために設立されました。本学は、キャンパス内だけでなく、地域の環境ステーションとしての役割も担いたいと考えています。現在では、市と連携して環境対策を推進し、学内に設置したモニターで近隣のエネルギー消費量のデータを集約したりしています。 地域総合研究所は、企業や行政と連携して、隣接する松原団地の老齢化問題や再生にシンクタンクとして取り組んでいます。1960年にできたこの団地は、1964年開学の本学と共に歩んできました。しかし、今では住む人も住み方も変化してしまい、ポスト団地といった新しいモデルが必要になってきています。 環境問題や地域問題を、従来のような工学系ではなく、人間社会や地域の行政・政策といった文科系の視点から捉えていくことは新しい方向であり、今後は必要になってくると思います。外国語が得意な本学では、例えば福祉が進んだ海外モデルについて、現地で実際に調べてくるという学びも可能なわけです。 これからの持続可能な社会を担っていくのは、きちんとした知識や意識を持った若い世代による市民レベルでの活動です。こうした若者を社会の様々なフィールドへ送り出すには、全カリでの横断的な学びを発展させ、実社会を体験ができるシステムを用意することなども大事になってくるのではないでしょうか。 教学の意図が反映された 開放的で可動性のある施設計画を 次の50年に必要となってくる施設については、教学の意図をきちんと認識して計画をすることが大事だと思います。東棟についても、どのような教育をし、必要な教室はどういった形式かを、先生や職員が十分話し合って決めてきました。 東棟における施設計画のポイントは、まず施設が開放的であること。教室の壁やドアなどがシースルーで、廊下から中が見えます。将来的には、開放した教室で行う授業も、フレキシブルなシステムに変えていきたいと考えています。次は可動性があること。収容人数175名以下の教室には、家具が移動できたり、収納して空間が変えられるなどの可動性を持たせています。 今の学生は少し見えなかったり聞こえなかったりすると、授業を放棄してしまう傾向があります。だから授業に参加しやすくするには、まず見やすい・聞こえやすいことが大事で、それによって授業の集中度も上がります。また大教室のイスの形は、学生に「いつも授業を受ける用意がある」と語りかけるような雰囲気を持っています。こういうことも、授業に参加しやすくなる環境作りのひとつなのではないかと思います。 イスなど家具については、実際に座ってみて選びましたが、細かいところまで吟味し納得して選ぶことが大事ですね。黒板、スクリーンや教卓の位置関係など、微妙なことが見やすさや話しやすさに関係します。また座る学生側だけでなく先生側から見た家具という視点も大事です。大教室(180人教室×2、350人教室×3、450人教室×1)/講義デスク・イス:SCF-5105、移動席 テーブル:CTN2(幕板特注品)、イス:SCM-5105CE308教室/PC対応テーブル:SCM-5505T(特注品)、イス:ペン同時通訳演習室/デスク:SCM-300、イス:ペン地理学実習室/テーブル:CTZ、イス:ペン 2階教室/デスク:SCM-300、イス:ペン123456677収納時に前傾しないイスは、起立して身を正す印象を与え、授業に臨む雰囲気を醸成している。また、空き席に荷物を置くことも可能。背と座のパッド色は、3人掛けの中央を黒としてアクセントを付け、北側の教室は暖色、南側の教室は涼しい色にするなど細かな雰囲気づくりをしている。対話型の少人数教育を重視。ガラス張りで開放的なしつらえの教室もある。

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