SCENE68
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メディアラボとメディア視聴覚室は 機能・意匠ともに話題の施設 高層棟の中で、大学が重視した施設が2つあって、それらはメディアラボとメディア視聴覚室です。 7階にあるマルチメディア工房は情報科学部の中核で、メディアラボとスタジオからなっています。メディアラボには、大学の実習機器としては最高水準のパソコンとスクリーンが設置され、パソコンデスクが化学式状に並び、自由で創造的な実習スペースをつくり出しています。天井をなるべく高く見せるために、有孔折板を一部に吊ったスケルトン天井にして、天井の圧迫感を減らしました。インテリアは、基調の黒に家具の白を配して、シンプルでスタイリッシュな雰囲気にしています。スタジオでは、人の動きを映像処理できるモーションキャプチャーやレンダーマンなど、最先端のソフトやツールが利用できます。 吹抜けになった3~4階のメディア視聴覚室は400インチの大画面プロジェクターを備え、大学の講義のみならず、学会や講座など外部の利用も想定されます。既に2010年のCOP10でのイベントにも利用されました。ですからグレード感を重視するために、壁はホワイトオークを使い、モダンでシックなインテリアとしました。音響と空調にも配慮し、黒い吸音板を組み合わせて良質の音が得られるようにしました。空調は床下チャンバーを使って、快適な空気の流れをつくり出しています。 “街が大学”をキーワードに これからのキャンパスを提案 現在の八草キャンパスは、キャンパスアベニューに沿って様々な施設が建ち並び、大きなゾーニングがなされています。これからの教学の再編や施設への新しいニーズに合わせ、このゾーニングをベースとして徐々に変わっていくでしょう。老朽化施設を取り壊したところに広場ができて、新しい憩いの場になってもよいと思います。中学や高校に比べると、大学は目の前に実社会が待ち受けています。大学らしいイメージからつくった施設だけでなく、今までとは違う要素、例えばオフィスや商空間に近い環境がキャンパス内にあってもよいのではないかと思います。例えば“街が大学になっている”…そういった発想で、これからのキャンパスづくりについて、建築の立場から様々な提案をしていきたいと考えています。愛知県愛知工業大学八草キャンパス 新1号館05SCENE1AICHI INSTITUTE OFTECHNOLOGYYAKUSA CAMPUS

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