SCENE69
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02SCENEされました。これによって学生も先生も移動に時間を取られず、学びに集中できるようになりました。一番の収穫は、私たちが大事にしている学生と先生の距離が近くなったことです。さらにオフィスアワー※を設けて相談もしやすくしました。実習指導室も利用者が増えています。短大生にとっては1回生の前期が大切で、先生や指導室のアドバイスが退学防止につながるのです。また、実習・実験の環境については、現場主義教育を実践するにふさわしい、高度でリアルな最新の設備・機器等を採用しています。こうした環境で実習することにより、学生たちは職場へよりスムーズに入っていけるようになります。 1階に開設した子育て支援室「ぶんきょう にこにこルーム」は、乳幼児とその親に一般開放され、地元の北槇島地域協議会、宇治市、短大・大学の民・官・学が連携し運営されています。以前から幼児教育学科の学生たちは地域の子育て支援に関わっており、市から学内設置を要望されていましたが、既存の普通教室では、設置基準の関係で子育て支援室が作れませんでした。今回の新設に合わせて、ようやく学内に作ることが実現したのです。※オフィスアワー:学生が先生の研究室を訪問し、質問や相談ができる時間学生の憩いの場であり、自由に使える活動拠点-「サロン・ド・パドマ」 学生サロン「サロン・ド・パドマ」は、主に、学生が食事や休憩など自由に使える場所を増やす目的で新設されました。京都市郊外にある宇治キャンパスは、約81,000㎡の広大な敷地に、短大・大学・大学院合わせて3,000人近い学生が在籍しています。現在の食堂や休憩スペースは十分とは言えませんでした。この「サロン・ド・パドマ」は、学生の食事や休憩の他に、教育活動および地域や大学のイベントなどにも使えるように、広く開放的な無柱空間としました。変化のない四角平面ではなく、18×18mの3つの正方形を1グリッド(9×9m)ずつ雁行させてコーナーを設けました。これは、自分の世界を持ちたい学生心理に配慮したものです。また、パーティションで隔てたゼミコーナーも用意しています。 芝生が周囲に配され枝垂れ桜と多くの緑の樹木に囲まれて、キャンパスを見通せる広いガラス面から建物内外の境界を越えて広がる、開放的な空間が創出されています。京都文教学園は、創設100余年の歴史を持ち、2010年に短大開学50周年を迎えた。それを機に宇治キャンパス再編の一環として、総合教育実習及び研究棟「月照館」と、学生の憩いの場「サロン・ド・パドマ」を新設した。短大と大学の目指す新しい教育方針は、「地域との連携を重視し、人間を見つめ、実践を通して学ぶ現場主義教育」。その源は、建学の精神「謙虚にして真理探究・誠実にして精進努力・親切にして相互協同」および学訓「響きあうこころ、生かしあういのち」に在る。短大と大学の新たな学びを推進するために、2つの新施設には、どのような環境づくりがなされているのだろうか。両施設を紹介しながら、未来のキャンパス像にも触れていきたい。きたまきしま京都文教短期大学学長安本 義正 氏(右側)京都文教学園 理事/法人事務局長 仁科 周朗 氏(左側)INTERVIEW

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