SCENE70
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■独自の家具や設備を活かすシンプルな空間 外観は自然の素材感を前面に出していますが、内装は素材感をそぎ落とし、白を基調としたシンプルなデザインで、木調家具をアクセントにしています。 エントランスホールについては、壁を設けたり大階段のステップ幅を変えたりして、吹き抜けの大空間に変化を与えました。壁の裏側にラウンジを設けていますが、そこは学生たちがほっとできる憩いの場になっています。家具は、背中を包み込むようなイスと円形のテーブルを採用し、上から見ると、花が咲いたような楽しさを感じますよ。 講義室のテーブルは、木調天板の奥行きをA4判資料が置ける400㎜まで縮め、快適さに配慮しながら席数を増やしています。またテーブルは、どの講義室でも使えるように、同じ規格のものを用意しました。 改装の可能性が高い研究室については、階下に迷惑をかけることなく改装ができるように、二重床にすることで施設の継続性に配慮しています。■人と人の交流を促す“マグネットスペース” 大学には、授業や研究などのフォーマルな場と、食事や休憩などのインフォーマルな場があります。しかし、人と人の交流を重視すると、その“中間の場”も必要ではないかと考えたのです。中間の場は、人と人を出会わせるという意味から、「マグネットスペース」と名付けられました。このスペースは3~6の各階にあり、エレベーターホールの前に位置しています。しかも、トイレやロッカースペースが近くにあるので、学生も先生も必ず通るのですね。学生が1人で立ち寄って本を読んだり、先生と学生が偶然出会って会話を交わしたりといった光景を想定しました。広さもプライベートとパブリックの中間で、床には、靴を脱ぎたくなるような、やや毛足が長い芝生色のカーペットを敷いています。このスペースは予想を超えた利用があり、「授業で学生の居眠りが減った」という効果もあったようです。ここで先生と出会って身近に感じられるようになり、授業を真剣に聞くようになったのではないかと思われますが、交流がもたらした成功例と言えるのではないでしょうか。講義室/デスク:SCM-300、イス:アイパッグ、教卓:S-30 201席ゼミ室/テーブル:CTZ、イス:ルッシュ自習室/デスク:SCM-300、イス:ルッシュ会議室/テーブル:CTZ、イス:ナビット15SCENE

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