SCENE72
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私学にとって、設立趣意書は憲法のような存在です。転機には、そこに立ち返ることが大事だと考えています。愛知大学はオーナーがいない私立大学で、学長は選挙で選ばれて理事長も兼ねますので、なおさら拠り所として大事なんですね。設立当時、既に「大都市への偏重集積を排して地方分散を望む」と明言している先見性に、私は誇りを持っています。ですから、「地域社会・文化へ貢献できる人材」と「国際的教養と視野をもつ人材」の育成が原点だと思います。 実は文部省(当時)への設立許可申請の書類には、豊橋キャンパスに農学部と水産学部を設置する将来計画が記されています。意外かもしれませんが、当時の三河地域の産業を調べてみると納得できます。今でも豊橋を含む三河エリアは日本でも有数の農産地です。2011年に豊橋キャンパスに地域政策学部を新設したのですが、豊橋キャンパスと、新城市、東栄町、飯田市、浜松市といった三遠南信地域の行政・団体・企業などとテレビ会議ができるようになっており、将来的には授業や調査・研究の発表をしていきたいと考えています。農業や水産業に貢献できる私立大学は都心型と郊外型キャンパスの両立が、新たな総合大学を生む契機に。AICHI UNIVERSITY NAGOYA CAMPUS三河地区にはありませんので、それらを研究する新たな関連学部も想定できます。そうした試みが愛知大学の総合大学化に繋がっていくかもしれません。 当大学と中国の交流には伝統があります。しかし最近は、さまざまな大学が中国に関心を持って交流を進めています。中国では総合大学を重視する傾向にあるので、当大学も総合大学への姿勢を示さないと、改革事業にも影響してきます。中国にある同窓会支部も、こうした課題を指摘してくれました。そういった背景もあって、現在は将来計画をいろいろと見直しカラーユニバーサルデザインの考え方に基づいて計画された施設内のサイン。中国との結びつきが強い当大学では、3ヶ国語(日本語、英語、中国語)を用いたサインが標準となっている。L1101教室/イス:ルッシュ、デスク:インテ05SCENE

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