SCENE78
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 金融大学校は、多様な金融専門家を養成するために2010年に設立された企業内学校です。入行と同時に入学し、退職まで研修を続けます。これまで当行では、2つの研修施設で役職員の人材育成を行ってきました。しかし、研修の場が分散しているうえに収容人数や設備に課題が生じてきたので、最適な研修施設の建設用地を探していました。3年前に、JR桂川駅前のキリンビール京都工場跡地に3000坪の敷地を取得し、キャンパスづくりがスタートしたのです。 桂川キャンパス新設は当行にとって50年に1度位の大事業ですから、今の本店を設計した(株)日建設計様とともに、1年半ほどかけてじっくり検討し設計へ反映しました。途中で、大学校長が女性に変わったこともあり、施設の中心ユーザーである女性の視点を新たに取り入れたため計画を一部変更しましたが、2014年4月1日の「ビジョン75」のスタートには何とか間に合いました。 私たちは、銀行が持つ経営資源の中で最も大切なものは、“人と店舗”であると考えています。1941年の創立以来、「地域社会の繁栄に奉仕する」ことを経営理念に、京都府最大のリテールバンク※として金融サービスを提供してきました。その実績を基盤に、平成12年頃から、「広域型地方銀行」を目指して店舗の新設とネットワークの拡充を続けてきました。 今春からは、この店舗ネットワークを活用して、お客様や地域に選んでいただけるようにより深い関係づくりを始めています。全てのお客様のライフステージに合わせて、長いお付き合いをしていきたいと考えています。 当行が目指す行員像は、“自ら考え主体的に行動できる行員”です。中でもこれからの業務としては、現在の社会・経済環境である少子高齢化、企業数の減少、企業の海外移転などに対応できる専門家育成に力を入れていきます。そして、地域の方々に信頼していただけるようなリーダーを育成したいと思います。 もちろん行員にとっても“いい銀行”であるべきで、女性の活躍支援をより充実させて働きがいのある職場づくりを進めたいと考えています。当行は、女性に対する仕事と家庭の両立支援を早くから行っており、2007年には育児休業を最長4年まで延長しました。また女性管理職の登用も強化し、3年後には全管理職の20%達成を目指しています。“人と店舗”を重視した次代の地方銀行。京都銀行金融大学校学校長奥野 美奈子 氏Minako Okuno京都銀行常務取締役井野口 順治 氏Junji Inoguchi“人と店舗”を基盤に、お客様や地域との関係を深化。これからの経営計画にふさわしい、人材育成施設を。主体性の重視と女性の活躍支援で、職場を活性化。※リテールバンク: 個人や中小企業を対象とした地域密着の金融サービスを行う金融機関。CULTURAL SPACE QUEST 02

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