SCENE81
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 もともと、三大学の入学定員は、京都府立大学(以後、府立大)が400名、京都府立医科大学(以後、府立医科大)が200名、京都工芸繊維大学(以後、工繊大)が600名。こうした小規模校では、おのずと教養科目の数やジャンルが限定され、学生がより幅広い教養教育を受けることが難しくなります。その対策に頭を悩ませていたときに、三大学が教養科目を持ち寄り、それをどの大学の学生も学べるようにしたら、豊かな教養教育が可能になるのではないかという話が持ち上がりました。 教養教育の共同化は、2006年に三大学が教育の共同実施や研究協力に関する包括協定を結んだことから始まり、その後ずっと共同化について協議を重ねてきました。そして、2011年に覚え書きを取り交わして、連携授業をおこなう施設を京都府が整備することになり、実現化への舵を切ったのです。 三大学は、府立大が文系・理系の総合大学、府立医科大が医学系、工繊大が理工系と専門分野が異なるので教養科目がかぶることもなく、そのジャンルはとても幅広くなります。各大学の入学定員に準じて府立医科大・府立大・工繊大が約1:2:3の比率で、各大学の強みが生かされた科目を選んで出し合うことにしました。初年度の2014年は、講義形式61科目とリベラルアーツ・ゼミナール7科目の計68科目でスタートしました。講義形式のうち10科目は、京都の地域・歴史・文化的な特色を生かした「京都学」の授業です。中には、三大学が京都の近代化に果たした役割を、その足跡をたどりながら概観するリレー方式の授業もあります。京都府立大学 副学長京都三大学教養教育研究・推進機構 運営委員長小沢 修司 氏Shuji Ozawa個性の異なる大学が協力して、68もの共同化教養科目をラインアップ。豊かな教養教育環境を創るために、三大学や京都府が連携専門分野が異なる三大学の連携で、幅広い教養科目群に34121 1階 104講義室/講義デスク・イス:SCF-5505-4 200席 2 外観写真 3 建物の南北軸となる大廊下は1~3階の吹き抜けとなっている。 4 内観写真NEW TREND 08

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