SCENE83
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ク、ディスカッションなど多様な学修形態に対応し、大型スクリーンを設置したアカデミックスクエアというプレゼンテーションができる場も設けました。学生たちが自由に見学する中で行なうプレゼンテーションは、見る側、見られる側の双方に刺激があり、効果的な学びにつながります。 図書館には学生が落ち着いて学修できる個室の個人学修スペースがあり、自学自習で得た知識をベースに、ラーニング・コモンズで学修を発展、深化させることができます。学生の評価に基づき採用した家具 次いで5・6階は講義室です。ラーニング・コモンズ同様、講義室の家具を選ぶ際も様々な角度から検討を重ねました。たとえば椅子については、大学生の平均身長と玉川大学生の平均身長を調べ、適切な座面の高さを決定したうえで、適合する椅子を選出しました。サンプル教室を2室用意し、各メーカーの椅子に授業時間と同じ100分間、学生に座ってもらい、座り心地についての聞き取り調査も行なっています。このように数値だけでは判断できない学生の体験に基づく評価も集計し、価格はもちろん座面の張り替えなどメンテナンスのコストも加味したうえで、もっとも高い評価を獲得した椅子を採用しています。 また、アクティブ・ラーニング形式の授業に用いる講義室は、4面の壁がホワイトボードになっており、採用した家具は可学修を発展、深化させるラーニング・コモンズ さらに、今回の教育改革では、講義形式の授業をできるだけ減らし、アクティブ・ラーニング形式の授業を増やすことにも取り組んでいます。その主要な場となるのが、1・2階の図書館とつながる3・4階のラーニング・コモンズです。当時、教学部長として計画段階から携わることになった私は、学生たちにとって快適な学修空間とは何か、観察することから始めました。 気づいたのは、カフェやファミリーレストランでパソコンやノートを広げる学生が目立つことです。Wi-Fi環境があり、音楽やお茶が楽しめ、適度に他者の存在が感じられる。そんな軽快で孤立しない空間が、学生たちのモチベーション向上につながると分析しました。そこでラーニング・コモンズには、1人から多人数まで多様なスタイルの机と椅子、移動式のホワイトボードを配置。オープンな空間の中、いつでも好きな場所で予習・復習、協同学修に取り組むことができます。 また、アクティブ・ラーニング形式の授業においては、ペアワーク、グループワー動式タイプです。椅子は軽量のうえネスティングすることができるため、学修形態に対応したレイアウトの変更も容易にできます。 他の講義室についても、設置・移動が容易な机を採用しているため、通常の講義形態のレイアウトから変更することができます。本学ではアクティブ・ラーニング形式の授業比率を4年以内に8割まで高めていく予定です。これを実現するためにも、ラーニング・コモンズだけでなく大講義室を除くすべての講義室が、アクティブ・ラーニング形式の授業に対応していることが重要といえます。 大学教育棟 2014の開館以来、図書館に設置された個人学修室は連日満室を記録し、ラーニング・コモンズも常に学生で満ちあふれています。 個人で学修する環境も確保しつつ、仲間と予習・復習をしたり、アクティブ・ラーニングのさまざまな学修形態に対応できるラーニング・コモンズにより、 1日8時間快適に学べる環境が整いました。大学教育棟 2014で過ごす時間が本学の「教育の質」を保証し、社会の要請に応える学生の育成につながることを確信しています。『全人』2015年5月号より大学教育棟 2014の機能と構成1日8時間学修できる場として誕生した「大学教育棟2014」では、学生が一人で考え、まとめる作業をしながら、他者との協同学修や、アクティブ・ラーニング形式の授業を経て、 さらなる情報の必要性に気づき、再び様々な学修活動を繰り返しながら学びを深化させていく。図書館、ラーニング・コモンズ、講義室が同じ建物内にあり、学修支援体制が整ったことで能動的な学びのサイクルが可能となる。ラーニング・コモンズでの協同学修96室を確保した図書館の学修個室CULTURAL SPACE QUEST 06

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