SCENE85
10/32

 今は、地域の企業でさえもグローバルな対応を視野に入れなければならない時代であると思います。その典型的な例が、介護や看護など福祉人材のグローバル化です。国内で働く介護士は国際化し始めていますし、日本の企業が共同で海外に病院を開設した事例もあります。そうした状況で力を発揮するには、今までの延長ではなく、グローカルな実践力を身につけ、新たな専門性を持つ人材の育成が必要とされます。そのためには、教育の“連携”と “質的転換”へのチャレンジが鍵になると考えています。 教育の“連携”は、学部および全学教育センター※が地域の様々な人的資源と連携して、地域の課題を学び実践しながら解決していくという教育です。そこでは、地域の方たちとグループ討論ができるようなコミュニケーション力や企画力が必要になります。また、総合大学としての学部連携は、例えば外国語に堪能な看護師の育成など、学部を越えた学びを可能にするでしょう。 教育の“質的転換”とは、福祉や看護をはじめ感情労働※をする専門職が、最新技術の習得はもちろん、それと同時に感情コントロールができる豊かな人間性を重視する教育へと変えていくことです。 グローカル・チャレンジに取り組むうえで、東海市は最適な場所にあると思います。北を名古屋市に接した知多半島への入口に位置しており、「中部国際空港」へは公共交通機関を使って20分ほどで行けます。大商圏の名古屋市や海外への玄関口に近いので、移転してきた経済学部や国際福祉開発学部にとっては、グローバルな展開をしている地域企業と教育の“連携”をして、新たな教育システムをつくり出していくことも考えられます。 東海キャンパスがある太田川駅前は、中心市街地活性化事業によってこれから“グローカル・チャレンジ”を実現するために東海市と共に、「ふくし」を担える人材育成を。1教育の“連携”と “質的転換”が、グローカル時代の鍵東海市の立地を活かして、オリジナルな教育の“連携”を進展※全学教育センター:学部学科が枠を超えた研究・教育を開発推進する際に、様々な支援をする。※感情労働:肉体労働、頭脳労働に続く最近増えた労働形態。人と直接接する業務で、介護士、看護師、医師、営業職などがある。09 CULTURAL SPACE QUEST人と人をつなぐ地域創生

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る