SCENE85
14/32

 開校初年度の教育目標は、「あいさつが響く」そして「歌声が響く」学校としました。私は、人と人のコミュニケーションにとって、あいさつはとても大切なものだと思っています。本校では、全校児童・生徒527名のうち、約7割の子どもたちがバス通学です。登校時には、バス通学の子どもたちや自転車・徒歩通学の子どもたちを先生たちが並んで出迎え、一人ひとりにあいさつをしています。毎日のあいさつから、子どもたちの様子や微妙な変化が分かります。また、音楽は心に豊かさや元気を与えてくれるので、朝の会や帰りの会で学級に歌声を響かせてほしいと思います。 本校では1年生から、電子黒板とホワイトボードを活用して授業を行っています。デジタル教科書と併用して使われる電子黒板は、視覚的で分かりやすいので、子どもたちはより興味を持って授業に取り組んでいます。実は、佐賀県の電子黒板利用は全国でトップなのです。 こういった教育環境のなかで、他人と主体的にコミュニケーションがとれる、豊かな心をもつ子どもたちを育てたいと思っています。 町独自の取り組みである保育園から中学までの一貫した英語教育や、電子黒板のようなICT機器を使う授業は、子どもたちが将来に必要となる生きる力を育みます。メディアセンターは、そういった学習のなかで調べたいことや疑問が出てきたときに、子どもたちがすぐ行けるような場所にあります。また、子どもたちが自然に集まってくるので、交流する場にもなっています。 教職員側は、授業の中にどう図書館活用を取り込んでいくかについての研修を進めています。司書さんとのコミュニケーションも大事で、今後は定期的に話し合いを持ちたいと考えています。メディアセンターの活用は始まったばかりですが、ふだんの学習や生活のなかに役立てていけるようにしたいと思います。 「平湯モデル図書館」のプランはすばらしく、書架も本当に使いやすいと感じています。家具を設置したときに、平湯先生に配架指導をしていただきましたが、まだまだ使いこなしていない状態です。私たち2人の最初の仕事は蔵書点検でした。書架の高さが私たち司書に合っていたのか、2万冊の図書を1日で点検できたのです。これはすごい! と驚きました。棚板の奥行きも、子どもたちが取り出しやすいサイズです。また、一般的に絵本の配架は大変ですが、この絵本架は仕切りの位置がよくて配架しやすいですね。子ども目線でつくられていますが、司書目線でもあると思います。心と学びの成長を後押しする本が身近にある教育環境を目指す。子どもたちも司書も使いやすく、より本に親しめるような環境づくりを。学校司書のお二人にうかがいました玄海みらい学園学園長岩崎 一男 氏Kazuo Iwasaki豊かな心とコミュニケーション力を育てる小・中一貫教育を身近なメディアセンターを、ふだんの学習に取り込む学校司書森 三絵子 氏Mieko Mori学校司書八島 弘子 氏Hiroko Yajima「本が読めない子をいかに読めるようにするかも、私たちの仕事です。無理にではなく、読みたくなったときに興味をそそるような本が置いてあるような環境をつくりたいですね」と森さん。「本の貸出は多いときで1日500冊以上、平均でも200~300冊ほどありますね。借りるだけでなく、メディアセンターでじっくりと本を読んでほしいとも思っています」と八島さん。13 THE TOPICS

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る