SCENE87
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 生命産業創造学科とその学生が学ぶ新キャンパスの設置計画は、4年ほど前から進めてきました。発案のきっかけは、“大学での研究成果を社会にどう活かせるか”について話し合った際に、“成果を目に見えるかたちにするプロセスを他人任せにしていた”ことに気付いたからです。本学には薬学部と応用生命科学部がありますが、どちらも理系です。その理系の成果を目に見えるかたちにするには、文系の企画やマーケティングの力が必要となります。そういった力がしっかりと育成できる学科を作りたいと考えて、生命産業創造学科を新設しました。 新学科のキャンパスについて検討したところ、本部のある「新津キャンパス」は手狭でしたので、新たな建設地を探しました。街なかに位置し地域と繋がりやすい場であることを念頭に置いて探し、JR新津駅から徒歩1分というこの敷地を確保できたのです。 生命産業創造学科は、食品・農業・環境分野で多様な課題の発見と解決ができる人材を育成します。そのためには、地域での学び体験が重要で、独自の授業科目として「地域活性化システム論」や「地域活性化フィールドワーク」を設けています。例えば1期生のフィールドワークでは、発酵技術を専門とする理系教員のサポートのもとで、新潟市内の酒造会社と協力して、在来の酒米を使って新感覚の「甘酒」の商品開発に取り組み、仕込みやラベルデザインなどを体験しました。学生には、商品の企画を積極的に探求する姿勢を持ち、理系と文系の垣根を越えた活動をしてほしいと思っています。理系の成果を、自ら目に見えるかたちに表現新潟薬科大学副学長応用生命科学部教授石黒 正路 氏Masaji Ishiguro15THE TOPICS 08

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