SCENE88
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 豊田市は地元産の木材を使って建物をつくる木造化・木質化を推進しています。この地域の木材は、径の細いものがほとんどで、住宅用に多く流通している12㎝角・長さ4m以下の木材には適していますが、学校など大型公共施設には適しません。 また、従来のRC造鉄骨造と同等の開放感・通風・採光を確保し、2階の床はRC造なみの遮音性を確保するなど質の高い教育環境が求められました。 今回の教室はオープンスクール形式で計画され、無柱の開放的な空間が必要になります。授業の形態も多様化し、座っているだけでなく動き回ることも増えてきています。 これらの問題を解決し理想の教育環境を実現するために、木材、RC、鉄骨の良さを活かした「ハイブリッド構造」を採用することにしました。床は遮音性の高いRC造、地震力を負担する外壁等もRC造、無柱空間を実現する梁は鉄骨造、それ以外の柱・梁はすべて木造としています。併せて、一般流通材の12㎝の角材を中心として組み合わせ束ねる「組柱工法」や「束ね梁工法」を採用し、地元の角材を使って大型木造建築を実現することができました。 子どもたちが活動しやすい“回遊できる動線計画”にして、その動線上にメディアセンター、交流室、中庭、ピロティーなど多様な空間を点在させました。低学年のゾーンは、教室、中庭、低学年用図書館木材、RC、鉄骨の良さを活かした、ハイブリット構造で理想の教育環境に子どもたちが活動しやすい場を用意し、それを支える地域の力に期待普通教室地域支援室体育館2階 メディアセンター/入口を入ったところ。奥にコンピュータ教室がある。09 NEW TREND

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