SCENE89
13/32

[左]中学生や高学年が低学年に読み聞かせをするなど、小中連携教育の推進を通して学年を越えた交流が深まっている。[右上]ドーナツベンチと調べ学習エリア。奥にはガラスパーティションで仕切られた自立学習室がある。[右下]楽しみ読みのエリアでは多彩な図書の読み聞かせが実施され、ネイティブの先生による英語絵本の読み聞かせもある。能勢ささゆり学園 情報学習センター 司書石塚 成子 氏Naruko Ishizuka「心の居場所」となり、心の成長を支援する空間に 小学生には週に2日、好きな本を読む「朝読書」の時間が設けられ、また、各学年に週1回または隔週で図書の時間が割り当てられています。これらの読書活動の推進により、小学生を中心に読書習慣が定着。毎朝子どもたちが、図書室の前でカギが開くのを待っているのが、日常の風景になっています。また、高学年が低学年に、中学生が小学生にといった、子ども同士で読み聞かせをする取り組みもあります。そのため休憩時間の図書室は、低学年の子どもたちが高学年や中学生に甘えたり、本を探してもらうなど、ほほえましい姿が見受けられ、小中学生の交流空間にもなっています。 読書活動以外に、各教科における学校図書の活用にも取り組んでいます。例えば社会科の授業でゴミの処理を学ぶときには、環境関連の絵本や書籍コーナーを設けたり、町の図書館から借りるなど、授業を補完する資料の整備を心掛けています。今後は教員の皆さんとのコミュニケーションを図りながら、幅広い学年や教科で教育課程との連動ができるよう注力していきたいと考えています。 ほかにも文部科学省は、『いつでも開いている図書館、必ず誰かいる図書館』を実現し、悩みを抱える子どもの『心の居場所』になるよう要請しています。能勢町においても支援を必要とする子どもは少なからずいるので、司書が常に図書室にいる重要性を痛感しています。 その点、平湯モデルの家具には人を迎え入れる温もりがあり、低いカウンターは子どもと会話がしやすい形状。入り口の展示台には自然豊かな能勢町の四季をテーマにしたディスプレイとともに関連図書を展示し、子どもたちの気持ちを盛り上げ、ワクワクしてもらえる演出を心掛けています。 これからも心の居場所としての図書室を維持しながら、学習面の成長も支え、すべての子どもたちに読書の楽しさを伝えていきたいと思います。12

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る