SCENE90
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「折る(Folding)」という操作により、多様で豊かな空間を創出する。SPACE QUEST 01SOPHIA UNIVERSITY YOTSUYA CAMPUS BLD.6 “SOPHIA TOWER”ソフィアタワー低層部を構成する大学施設の中でメインとなるのが、1、2階中央に配置された2層の高さを持つ約800席の大教室です。授業だけでなく国際会議なども開催できる多目的ホールであり、世界につながる窓として位置付けられています。内装は、天井や壁を「折る(Folding)」という操作でつなぎ合わせて一体化させました。低層部がセットバックしながら高層部につながる「折る(Folding)」という建物全体のコンセプトに呼応したデザインです。座席は、スクールカラーを基調に合計6色を用意し、明度の異なるカラーの中に、少し色相をずらした紫やオレンジを僅かな配分で混ぜ込むことで、豊かな多様性を生み出しました。また、大教室の周囲にはガラス張りの開放的なホワイエ・ギャラリーを配置し、カフェなどを設置して学生の居場所をつくるとともに、地域の歴史の展示や大学の情報を内外に発信する場としています。2~5階は60~400席のさまざまな教室を計25室配置した教室エリアです。1、2階の中央に大教室があるため、3階をプラットフォームと捉えました。そこにキャンパスストリートと直通の外部エスカレーターや、2号館とのブリッジを設け、ソフィアタワーとキャンパスをつなぎスムーズなアクセスを実現します。この動線周りに屋外テラスやピロティなどたくさんの外部共用空間を設けることで、学生のたまり場をつくりました。また、教室エリアの中央には3階から4層吹き抜けのアトリウムを設け、回遊するように階段やエスカレーターを設置しています。その回遊動線の周囲に膨らみのある空間を設けてラウンジスペースとし、移動の途中で滞留しておしゃべりをしたり勉強できるような、学生の居場所を生み出しました。また、アトリウムの壁を外へと「折る(Folding)」ことで、暗くなりがちな中央のアトリウムに光を取り込んで、空間を外部へとつなぎ、キャンパスとの連続性を実現しています。05

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