SCENE92
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共育の場づくりを通して生まれた連携が地域づくりに発展。小学校、交流館内にはそれぞれに共育を意識した空間が設けられています。その一つが「ランチルーム」です。旧作手村の時代から各学校にあったランチルームは、親子給食会や地域の方との交流給食会などが行われており、作手で育った卒業生なら誰でも楽しい思い出がある場所です。新校舎のランチルームもそんな交流空間になることを意識し、親しみが感じられる特徴的な構造の外観にしました。その形状から子どもたちに親しみを込め、“プリン”と呼ばれています。小学校と交流館で共有することになった「調理室」でも、作手の料理人や食に関わる仕事をする人たちによる調理部会が、子どもたちを対象にした料理教室などを定期的に開催しており、「食」を通した共育が進められています。また、作手地区は「あめんぼ読書会」という読み聞かせ活動をするグループもあるほど図書活動が盛んなエリアです。そこで図書室の設計にあたっては、図書室とパソコン室を一体化した小学校の「メディアセンター」と地域の「図書室」を、廊下を挟んで隣接させ、相互に行き来ができ、交流や情報交換などが行える配置としました。さらに、“作手らしい図書館”について検討した地域や子ども達のWSを経て、読み聞かせスペース、くつろぎや交流のスペースを重視した、家具選定とレイアウトとしています。図書活動に並んで作手地区は音楽活動も活発です。そのため当初から交流館にホールの設置が計画されていました。作手には、すでに複数の多目的ホールが存在していましたが、音響設備の整ったホールはなかったため、プロの演奏会にも利用できるホールをつくりました。異なる機能を持たせることで、新しいホールも既存のホールもそれぞれ活用されるように配慮しSPACE QUEST 02TSUKUDE ELEMENTARY SCHOOL AND TSUKUDE KORYUKAN[上]ランチルーム(小学校)/全学年が一緒に給食をとり、交流の場にもなる。写真提供:株式会社東畑建築事務所[下]ランチルーム外観/シンボリックなプリン型の外観。右隣は体育館。 [左/中]図書室(交流館)/読み聞かせのスペースを設け、ゆったりくつろげるソファなどを設置。カウンター・テーブル・書架:平湯モデル図書館家具、イス:アイパッグ、ソファ:デコ・ボコ[右]メディアセンター(小学校)/奥にパソコンスペースを確保。 カウンター・書架・イス:平湯モデル図書館家具 写真提供:株式会社東畑建築事務所ともいく11

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