SCENE93
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SPACE QUEST 01KYOTO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES「FLA・free learning area」での過ごし方が「自律」を促す4号館の最大の特徴となるのが、各フロアの至る所に設けられたフレキシブルなスペースです。竣工後運用を開始して以来、4号館には常に学生たちの姿が見受けられ、平日はメザニン階から1階までの座席はほぼ満席の状態が続いています。時間を問わず、土曜日にも学生の姿があります。また、使用方法も個々に個性が出ており、さまざまな自分のスタイルでこの空間を過ごしていることに感心しました。こちらの想定した使い方だけではなく各人が居心地の良い空間を模索しているようです。場所、家具それぞれに画一的でないからこそ、このような使い勝手になっているわけであり、あえて目的を示さないことで自らの自律を促せることができるのではないかと感じております。建築竣工後に多くの家具が納入されていることから、家具のレイアウトやカラーコーディネートについても学生と意見交換等を行い、試行錯誤をしながらずいぶんと手を入れました。結果、当初の提供側からのカタチとはずいぶん変わりましたが、一つひとつのエリアに対して使い勝手や見え方をイメージし、こだわりながら仕上げました。一般的な建築の流れは、当初の図面作成スタディの段階~竣工前に家具の仕様を決めていくケースがほとんどです。今回は実際の出来上がった建築空間に家具をレイアウトし初めて気付くことも多くあり、じっくりと[上]3階 教室/イス:ティーポ特注品、デスク:CTN4特注品[下左]4階 教室/イス:ティーポ [下右]ガラスで囲われた教室。各フロアのテーマカラーのカーテンがかけられる。イス:ティーポ特注品、ベンチ:ジェリー特注品03

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