SCENE95
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写真と説明文で法学部と時代の関係性を発信する柱。存心館 設計:株式会社 綜企画設計 設計部 課長橋本 敏 氏Satoshi Hashimoto相反するデザインの空間を持つ新存心館新存心館の設計コンセプトとしたのが「法学らしさ」と「京都に在る存心館」です。「ろこも(ロウ・ラーニング・コモンズ)」エリアは、必要な機能の抽出と活動の想定、イメージを具現化するゾーニングにより、個人を充実させた個monS(コモンズ)としました。重厚感のあるサークルベンチ&平和を象徴するシンボルツリーや、天秤をモチーフとしたデザインクロス、歴史的要素を展開した柱型が法学部らしさを演出しています。また、圧迫感のある大梁は「“アバタ”を“エクボ”に変える」コンセプトのもと、配管類や照明器具と一緒にまとめることで大胆に部屋を横断する直線的なデザインが生まれ、法と向き合う「実直」な空間となっています。一方、「ぞんち(存心館地下食堂)」エリアは、はんなり感を纏う「京和傘」をモチーフとした照明により、「あたたかい光とやわらかな和の雰囲気」の空間としました。天井は「枯山水」のような山や島や水の流れのイメージを汲み、点在する島々は和傘で表現し、星のように配置された照明が食堂を包み込むようにしました。さらに、「メイン客席」、「離れ(グループ席)」、「三和土(立食席)」と3つの空間を仕上の材質によりエリア分けしています。「ろこも」と「ぞんち」の相反するデザイン空間を持つ新存心館で、様々な〈繋がり〉〈学び〉〈楽しさ〉を体験、吸収し、多くの思い出を創り、やわらかくも芯を持った、未来に羽ばたく人材が育っていくことを期待しております。とイスを可動式にしたほか、ディスプレイプロジェクターを増設し、壁面ホワイトボードを設置して、プレゼンテーションやディスカッションができるアクティブラーニング環境を充実させています。一方、学生生活におけるアメニティにも配慮し、地下食堂「ぞんち」と学生会館カフェ「ゆんげ」を全面リニューアルしたほか、 旧図書館の跡地を緑地化したことで、昼休みや授業の合間に学生が集う憩いの場となりました。このようなアメニティ空間の充実も学生同士の交流を促進し、主体形成に寄与するものと考えます。[上]学生会館 カフェゆんげ/イス、ハイチェア、テーブル、ビッグテーブル:造作家具、柱周りカウンター:造作家具 [下]学生会館 オープンファクトリー/イス:ティーポ、ハイチェア、テーブル:DTN、造作カウンター平井嘉一郎記念図書館 開架閲覧室/イス04

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