SCENE96
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SPACE QUEST 01NANZAN UNIVERSITY RAYMOND RENOVATION PROJECT学生生活を通して、近代建築の遺跡を学舎とする誇りを醸成大教室G30を出たエントランスと、G30と対になるG棟から南のH棟につながるロビーに飾られているのは、レーモンド作のフレスコ画です。改修により上部に照明を設置することで、画が鮮やかに際立つようになりました。プロジェクトでは、廊下でつながったG棟、H棟、F棟という低層の教室群も改修の対象となっています。大胆な吹き抜けで地下と1階が一体化したG棟など、コンクリートの柱と梁が力強い空間を生み出しているのがレーモンド建築の特徴です。これらレーモンドらしさはそのままに、重厚感のある木壁は明るいトーンに調整して、学生たちが行き交う活気ある空間としました。教室内部も木の壁面と木製のイスに新調し、木の温もりが感じられる学びの空間を創出するとともに、断熱性・遮音性を1946年 南山外国語専門学校開校1949年 南山大学開学(名古屋市昭和区五軒屋町)1961年 南山大学総合計画スタート1964年 南山大学第一期総合計画完成 (大学会館・本部棟・図書館・H棟 ・G棟・G30・F棟)1965年 南山大学が昭和39年度 日本建築学会作品賞を受賞1967年 体育館、プール、クラブハウス建設1973年 K棟・M棟建設1975年 N棟・第2研究室棟・ 第2食堂棟建設1982年 E棟・L棟建設1986年 体育センター建設1990年 棟建設2000年 D棟建設2004年 A棟建設2007年 B棟・C棟建設2011年 R棟建設2015年 S棟建設2016年 リアン建設2017年 Q棟建設2017年 Raymond Renovation Project ~ 「自然を基本として」を継承し、2021年 レーモンド氏が設計した 建物の改修および外構整備キャンパス構想の歴史レーモンド氏の設計により建設レーモンド建築のコンセプトを受け継ぎ、外観デザインを統一向上させ、換気設備を導入することで快適性を高めています。教室棟のトイレは全面リニューアルして衛生面の向上を図りました。また、レーモンド・リノベーション・プロジェクトでは、既存改修に加えて授業時間外の学生の居場所や自主学習の場となるセミナー室、長きにわたり検討してきた人工芝グラウンドの整備も進めています。ほかにも安全性・利便性向上のためのキャンパス内動線の整備や、電気錠対応による施設運用と構内照明の整備によるセキュリティ強化、自動ドアやエレベーターの増設によるバリアフリー動線の確保と学内サインの更新によるユニバーサル化など、時代のニーズに応じた整備にも取り組んでおり、2021年の完了を目指しています。[上]G棟エントランスにあるレーモンド氏のフレスコ壁画[中]建物と一体化したコンクリートのベンチは、レーモンド氏の妻であるノエミ・レーモンド氏のデザインによるもの。[下2点]更新された学内サインJ05

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