SCENE96
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レーモンド氏が築いた日本のモダニズム建築は、保存運動や行政の保護の取り組みが決して十分とはいえず、老朽化により取り壊されることも珍しくありません。社会がその価値に気付いたときには、時すでに遅しという事態が危惧されるほどです。キャンパス全体がレーモンド作品としての価値を有する本学にあって、今回リノベーションによりレーモンド建築を次の世代に遺す選択ができたことは、本学の歴史に誇らしく刻むことができると自負しております。また、本学キャンパスの誕生から半世紀を経て、自然豊かな里山だったこの地が閑静な住宅地と化す中、レーモンド氏の設計理念「自然を基本として」が今なお息づく本学キャンパスは、地域にとっても貴重な財産となりつつあります。「レーモンド・リノベーション・プロジェクト」は、広報を通じて幅広く学内外に周知を図っており、これを機にアントニン・レーモンドを知る学生も多いことと思います。彼らがレーモンド建築で学ぶ4年間を誇りとし、やがて世界に羽ばたいてくれることを強く願っております。[上]G棟 教室/講義デスク・イス:SCF-5105特注品、移動イス:SCM-5105-C、移動デスク特注品 固定席 197席・移動席9席 総席数206席、教師用イス、ホワイトボード、教壇[下2点]改修前(左)と改修後(右)のF棟教室/イス:アイパッグ、デスク:SCM-300L南山大学 レーモンド・リノベーション・プロジェクト所在地:愛知県 施主:南山大学基本設計:株式会社日本設計実施設計:株式会社大林組06

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