SCENE96
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「心を清くし愛の人であれ」という、教育理念を具現する「図書館」図書館/平湯モデル図書館家具(一部移設家具)本校の設立母体となる「ナミュール・ノートルダム修道女会」は、世界16カ国に活動拠点を持ち、姉妹校の数は120校に及ぶ世界的な組織です。日本での活動は戦前に岡山の清心高等女学校の経営を継承したことから始まります。そして1950年、戦争で大きな被害を受けた広島の地にノートルダム清心中学校を、3年後にノートルダム清心高等学校を開校しました。初代校長のシスター・メリー・コスカは戦時中に強制収容所に送られ、アメリカに強制送還されてなお、女子教育によって戦後の日本を改革したいという情熱を失うことなく、女子教育の発展と充実のために一生を捧げた方です。本校は広島市街と瀬戸内海を遠くに臨むことができる小高い丘の上にあり、四季折々の美しい自然に囲まれていますが、この丘に立つと先人たちの願いが空気の中に溶けているように思えます。鳥のさえずりを聞きながら学習できるという貴重な環境は、生徒たちの感性や心の豊かさを育てる源でもあります。創立70周年を2020年に控え、今年完成した「ノートルダムホール」は、音楽活動が活発な本校にとって念願だった本格的な施設です。建物自体は進路指導室や講義室も備える教育棟であり、3階には中高生共有の図書館を設置しました。本校を含むノートルダム清心学園の学校は「心を清くし愛の人であれ」という教育理念を共有しておりますが、その大切な「心」を耕し養う最たる場が図書館といえます。第一と第二の2室に分かれていた旧図書館が1つにまとまり、中高一貫教育に取り組む本校にふさわしい中高生共有の図書館の誕生は、本校に関わってこられた全てのシスターたちの教育への思いの結実でもあると思います。ノートルダム清心 中・高等学校学校長神垣 しおり 氏Shiori Kamigakiノートルダム清心 中・高等学校図書館教育部 竹舛 さやか 氏Sayaka Takemasu08

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