SCENE別冊「コモンスペース特集」
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82-2号館(B棟)5341セミナーハウスだからできた、コモンスペースづくり差しを遮るよう工夫しています。庇の下にはデッキがあり、快適な交流スペースとなります。軽井沢は日差しを遮るだけで、真夏でも驚くほど爽やかに過ごせますから。このように、自然と一体化した施設だということも、今回の新しいセミナーハウスの大きな特徴だと思います。 セミナーハウスの利用目的の大半は、ゼミ合宿です。旧施設で課題だったゼミ室不足解消のため、ゼミ室の数を増やし、さらに可動式間仕切りを備えた部屋を新たに4室設けました。4室を大きな2室にするなど、利用人数や目的に合わせてフレキシブルな空間設定が可能です。椅子もゆったりと座り心地のいいものを選び、長時間集中して課題に取り組んでもらえるようになったと思います。ゼミ仲間と過ごした思い出もきっと心に残るのではないでしょうか。教えられる側の後輩学生はもちろん、教える側の先輩学生にとっても、いい経験になるはず。実は私も当大学の卒業生で、当時先輩から卒論について指導していただいたことを覚えています。 都心のキャンパスではスペースに限りがあるため、学生からは「授業以外の居場所が少ない」という声も聞こえてきます。しかし今回のセミナーハウスでは、多様な使い方ができるコモンスペースづくりができました。例えば、82-2号館(B棟)ゼミ室の前には、一段下がったスペースがあります。こうした一見何でもないような空間が、実は利用者にとって居心地が良く、こちらが思ってもみなかった用途に有益に使われることがあります。空間の用途をあらかじめ限定するさじ加減は難しいと常々感じていますが、今回整備したコモンスペースでの実際の使われ方を参考に、これからのより良いキャンパスづくりにもぜひ活かしていきたいと考えています。COMMON SPACE 14

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