SCENE別冊「コモンスペース特集」
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56431 ものつくりラボ/イス:デューン、テーブル:DTN 2 情報ラボ/イス:デューン、テーブル:DTN、ハイチェア、カウンター 3 言語ラボB/イス:アイラックス、テーブル:DT-P、ハイチェア、カウンター 4 言語ラボにある書架は耐震構造のコアを兼ねる。 5 言語ラボB/イス:アイラックス、テーブル:DT-P 6 バスを降りて丘とキャンパスを望む。 敷地となる中庭が整地されて3500㎡のなだらかな丘が姿を現したとき、いい場所だと感じました。建物の中からも丘が見えるようにしたいと思ったので、コンセプトは“なだらかな丘が見通せること”。見通しをよくするために、柱をできる限り細くしています。中空ではなく中が詰まっているので、見かけより頑丈です。屋根は丘の斜面に調和するよう斜めにし、基礎も斜面を計算に入れたなだらかな3次元構造としています。 室内にいると、ガラスを通して上下左右にずれて重なりあう他のスペースが見え、風が吹き通るような爽快感が味わえます。外の芝生エリアは、窓を開ければ外へ続く半外部空間となります。そして、バス待合をはじめ各スペースを回路でつなげて、どの校舎からも学生がセンターに行きやすいようにしています。 構造をより強固にするため、バス待合、情報ラボ、言語ラボには、耐震構造のコアを設置しています。コアの壁面には、丘に合った自然素材として「石」と「木」を使い、それがインテリアのポイントになっています。また空間を効率よく使うために、バス待合のコアはトイレに、情報ラボのコアはパソコンなどの貸し出し倉庫に、言語ラボのコアは本棚の機能を持たせています。 各スペースついては、いろいろな情景をイメージしてみました。例えば、「バス待合」はカフェで学生たちが会話している、「プレゼンテーションルーム」は自分の好きな色のイスに座って、人も色も入り交じって自由にプレゼンしているようなイメージです。 これからは、芝生エリアで野外コンサートを催したり、大きな絵をものづくりラボで創って芝生に展示したりと、キャンパスの中心に創られた共育空間を学生たちがどう使って成長していくのか、その可能性に期待しています。studio velocity一級建築士事務所代表栗原 健太郎 氏Kentaro Kurihara岩月 美穂 氏Miho Iwatsuki自然環境と各スペースに合った、内部空間づくり丘の斜面を活かした、建物構造とスペースづくりCOMMON SPACE 18

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