SCENE106
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06[左上]5階 ラーニングコモンズ/イス、ハイチェア、テーブル、ソファ、書架 [右上]5階 ラーニングコモンズ/可動式の什器を多く採用している。イス、テーブル、スツール、ホワイトボード、書架 [左下]11階 ラウンジエリア/イス、テーブル、ソファ、パネル、シェルフ [右下]21階 トップラウンジ/料理を通じた交流を図るアクティブキッチンを併設し、利用シーンに応じて一部を区画できる。イス:SK-79A06ほか、テーブル高層キャンパス」の実現も設計の課題となりました。この点において「低〜中層部」が広場をつくりながら「高層部」に巻きつく連続的な空間は、歩き回るキャンパスの基盤構造となります。加えて内部は階段とエスカレーターが位置する空間を、さまざまなモノやコトと出会える「ゾーン」が積層する構成としました。吹き抜けの高さは人の顔が認識できる最大距離とされる約20mに設定することで、上下にも視野を広げる効果を狙っています。1階のエントランスから2、3階の図書館につながる吹き抜け空間に面する「ソーシャルコモンズ」の多彩な活動も、来訪者の視界に入ります。また、「ゾーン」は設計の視点から5つにカテゴライズしました。高層階の「3学部研究ゾーン」は吹き抜けを介して一体となり、3フロアごとに設けられたプレゼンフィールドが交流の場となります。中層階には「講義室・食堂ゾーン」「広場・テラスゾーン」、低層階には「ラウンジラボ・図書館ゾーン」「エントランス・コモンズゾーン」を設置し、「広場・テラスゾーン」が他の3つのゾーンにまたがることで、回遊性を生み出す役割を担っています。これにより、高層であっても学生たちが縦横無尽に歩き回りたくなるキャンパスを目指しました。次いで内装材・外装材については、木とアルミなどシンプルな素材を中心に、外観にアルミ製ルーバーを用いれば、内装には木製ルーバーを設置するなど、内外装にも連続性を意識しました。また、家具の選定についてはシンプルな形状・デザインで学生の使用感を重視し、小回りがきく可動式のものや、使い勝手のよい位置に電源コンセントがある机を選んでいます。家具については愛知株式会社さんとコラボレーションできたこともよかったと思います。コロナ禍により私たちの生活は一変しました。大学ではリモートと教室の授業による「ハイブリッド形式」を採用する大学が増えていますが、今後も創意工夫の中でさまざまなキャンパスの使い方が生まれると思います。地域の人にとっても、公園や図書館など開放感のある空間の重要性を再認識する機会となっているのではないでしょうか。今後、本キャンパスが多様な人とつながる社会の財産となり、学生とMM21の街が、互いに育ち、育てられる関係を生み出すことを期待します。神奈川大学 みなとみらいキャンパス所在地:神奈川県施主:学校法人神奈川大学設計:株式会社三菱地所設計

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