SCENE107
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05SPACE QUEST 01HIRAKATA PERFORMING & VISUAL ARTS CENTER株式会社日建設計大阪オフィス設計部門 シニアエキスパート デザイナー多喜 茂 氏Taki Shigeru株式会社日建設計 大阪オフィス 設備設計グループ アソシエイト牛尾 智秋 氏Ushio Tomoaki背板座席背面図背板断面図未利用エネルギー(下水処理水)を用いた「放射空調システム」は、環境にも優しく、長時間の鑑賞でも風や音を感じさせない快適な空調を実現する優れた空調システム。大規模ホールへの採用は全国初。延べ1,950人の熟練した職人が一つ一つ丁寧に積み上げています。これにより陰影のある表情を醸し出すとともに、ホール内では豊かな響きの実現にも寄与しています。さらに、床材には重くて硬く、傷が付きにくい堅木のスクピラ材を採用しました。エントランスロビーの天井には、スクピラ材を薄くスライスしたものを不燃材に貼り付けることで、内装のレンガと引き立て合い、力強い風合いのある非日常の空間に。光源を見せないグレアレスな照明計画は、高窓からの自然光と中庭、軒先の緑を明るく際立たせています。さまざまな素材の選択肢の中から、厳選した素材を選び、創意工夫を重ねることで、豊かな表情を醸し出す空間が創出できることを改めて実感しました。左から多喜氏、牛尾氏。暖房時 30分後座席側面図冷房時 30分後アルミパンチングパネル放射用配管背クッション背板放射用配管「枚方市総合文化芸術センター」の設計・設備には、他に類を見ない画期的な工夫が施されています。その担当者である株式会社日建設計大阪オフィスの多喜氏に設計のポイントを、牛尾氏に大規模ホールでは全国初の導入となった「放射空調システム」についてうかがいました。本センターの建設予定地は、枚方市の緑化重点地域の中心地に位置しています。これを踏まえ、施設の前面は市民が気軽に集える芝生広場とし、ボリュームを抑えた外観には軒先緑化を施すことで、緑の中に溶け込むような佇まいとなっています。また、芝生広場にはベンチのある木陰やステージを設けて、市民がくつろいだりイベントが実施できるようにすることで、内外一体となった文化芸術活動の展開を目指しました。内外装は新たな試みとして、約13万個のレンガに釉薬をかけ、1,250℃で焼き固めたものを使用。釉薬を使い分けることで、建物外装・エントランスロビー・大ホール、小ホール、イベントホール、それぞれ3種の異なる色合いに仕上げています。レンガは4種類の丸みを帯びた凸型形状とし、約200日をかけて未利用エネルギー(下水処理水)を使った快適性の高い「放射空調システム」新たな試みが詰まった、枚方市のランドマークが誕生

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