SCENE113
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05SPACE QUEST 01Tallinn College of Music and Ballet (MUBA)3+1 architectsArchitectHanna-Liisa Mõtus[上左]・[上右]壁面には遮音性に優れた建築材が使用されており、交通量が多い首都タリンの中心部に立地していながらも、生徒は演奏やバレエの授業に集中することができる。 [下左]校舎に囲まれた中庭「静寂の庭園」は、都会の中で自然を感じられる森のような空間。「Sound」をイメージしたモニュメントが設置されている。 [下右]生徒たちがリラックスした時間を過ごすことができるコミュニケーションスペースが随所に設けられている。MUBAは首都タリンの中心部という立地を鑑みて、「都市空間の中に特別で神秘的な場所を生み出す」ことを、設計する上での基本的なコンセプトとしました。音楽で満たされた空間にも静寂の場は必要だと考え、建物の機能を敷地の周囲に分散させ、中央に広い中庭「Garden of Silence(静寂の庭園)」を設けた回廊式の設計としました。この中庭は、音楽やダンスで活気に満ちた建物に囲まれながら、深い思索にふけることができる都市の中の森のような空間です。建物に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、格式ある3階まで吹き抜けのロビーです。その存在感は、建物内のどこにいても感じられます。螺旋状のメイン階段が各階を結び、まるでコンサートホールにいるような感覚を味わうことができます。ロビーを抜けると、カフェテリアがあり、その奥には「静寂の庭園」が広がります。緑豊かなプランターボックスとゆったりとしたデッキチェアが各階に設けられ、テラスのように階層をなしながら上へと伸びていきます。1階には図書館とカフェテリア、2階と3階はクリエイティブビレッジ、そして4階にはリビングスペース等も配置されています。学びの場は、さまざまな音楽教育のための教室、多様なスタイルのバレエスタジオのほか、4つのコンサートホール、リハー高い機能性と豊かなデザイン性を両立した学びの空間を実現

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