SCENE97
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031957年、「千代田光学精工(現:コニカミノルタ)」が光学技術を用いて完成させたのが、国産初のプラネタリウムです。以来、科学館や博物館など教育施設を中心に、プラネタリウム機器の販売を手がけるようになったのですが、来館者のほとんどは社会見学や休日に家族と訪れる小学生に限られるため、バブルが崩壊し景気の悪化とともに、1990年代後半から機器の売れ行きは悪くなる一方でした。やがて、渋谷駅前にあったプラネタリウムが2001年に閉館し、2003年には池袋サンシャインシティの「サンシャインプラネタリウム」が25年の歴史に幕をおろすことになりました。これに対して豊島区民の皆さまから、なんとか続けてほしいと存続を望む声が多く寄せられ、機器を納入したコニカミノルタに運営の相談があったのです。奇しくも2003年は、合併により「コニカミノルタ」が誕生した年であり、新たな歴史を歩み始めたコニカミノルタの意義あるチャレンジとして取り組むこととなりました。運営にあたり課題となったのは、教育施設としてのニーズが低下してきたプラネタリウムを、いかにビジネスとして成立させるかということでした。そこで新たなターゲット層としたのが、“働く女性”です。都心という立地を踏まえ、会社帰りや休日に立ち寄ることのできる、“癒しの空間”をコンセプトとしたプラネタリウムを目指すことにしたのです。こうしてリニューアルオープンした「サンシャインスターライトドーム“満天”」は、連日満員となる盛況ぶりで、現在も「コニカミノルタプラネタリウム“満天” in Sunshine City」として多くの皆さまに親しまれています。そのロビー/観覧を待つレストスペースにはカフェで購入したドリンクを飲むテーブルも設置。間、3度のリニューアルを通して、社員からはナレーションに俳優や声優を起用するという案や、アロマの香りでヒーリング効果を出す、カップルで楽しめるシートを設けるなど次々とユニークな提案がなされ、 2012年に東京スカイツリー内にオープンした2館目となる「コニカミノルタプラネタリウム“天空” in 東京スカイツリータウン®」 にも展開できる企画となりました。そして今回、さらなる進化を目指し有楽町にオープンしたのが「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」です。広いフロア面積を生かして、「プラネタリウムドームシアター」と「多目的デジタルドームシアター」2つのドームを備えた国内初の「ツインドーム」とし、前者は音の移動を体感できる立体音響システムや、リラックスした体勢で星空を楽しめるプレミアムシートを導入。後者は最大8Kの高解像度映像が楽しめる音楽ライブやイ座席幅は550mmを確保し、ゆったり座って満天の星々に浸ることができる。座席には4ヶ国語の多言語音声サービスを導入。SPACE QUEST 01KONICA MINOLTA PLANETARIA TOKYOコニカミノルタプラネタリウム株式会社代表取締役社長 持田 啓介 氏Keisuke Mochida「映像ソリューション」という新たな事業領域へ

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