SCENE102
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SPACE QUEST 02KURITAYA AKADEMEIA, KANAGAWA UNIVERSITY随所に配置された「ポット」から生まれる、日常的な交流地上4階建ての建物は縦に大きく3ブロックに分かれており、ブロック間の自由な行き来は、コンセプトである“まちのような”を表現した、1階の真ん中を貫く「リビングストリート」のみとなります。出入りの際に必ずここを通ることで、出会い、交流の機会を創出します。リビングストリートには「オープンキッチン」や「スタジオ」と呼ばれる多目的空間を配置。 寮生全員が共有する場となり、食、映像、音楽など様々な目的に応じた活動を通して交流が深まります。また、各ブロック中央部には2階から4階を貫く大きな吹き抜けがあり、その周囲に約200の寮生の個室が並びます。個室は幅2m×奥行き3.5mの狭小空間とし、トイレ、キッチン、シャワーなどの水回りは全て共用。「寝室」としての機能に特化することで、睡眠以外の時間は自ずと個室以外で過ごすことになります。個室に代わる居場所となるのは、階段の踊り場に点在する“器”のような小さな空間「ポット」です。1ブロックにつき6~9個設置され、同じブロック内のポットは全て形状や機能が異なります。どんなポットがあるといいか、留学生とのワークショップなどを通してアイディアを吸い上げ設計されました。その結果、シェア本棚を備えた「BOOK POT」や、ものづくり・課題制作のための「DIY POT」、畳のあるポットなどユニークなポットが実現しています。寮生がその時の気分で過ごすポットを選び、同じ時間を共有した仲間とコミュニケーションが生まれる。そんな偶発的な交流機会の創出が期待できる空間といえます。学生のための大掛かりなイベントを催して交流を促すような旧来の方法ではなく、あくまでも日常生活の中から生まれる交流を重視する。建物全体がそれを支援する空間で構成されているのが、「栗田谷アカデメイア」です。1階 スタジオ3/吸音壁に囲まれた学習スタジオ。打ち合わせに集中でき、プレゼンテーションの練習なども気兼ねなくできる。イス:X50、デスク:ティーポボード、ローテーブル、クッション、ホワイトボード、本棚P1PSスタジオ3濾過機PS脱衣室K2Cブロック寮室PP17P14PP19PP15PP16P11P8P13PP12P9P6P5P2エントランススタジオ4PSP18P10多目的トイレEV1EV2K1K1寮室寮室BブロックAブロックP…ポット K…キッチン長手方向 断面図09

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