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神奈川大学 副学長的場 昭弘 氏Matoba Akihiro学ぶことを厭わない者が集う「栗田谷アカデメイア」 本学は創立80周年を機に「学校法人神奈川大学将来構想」を発表し、これに基づき2011年に「神奈川大学横浜キャンパスマスタープラン」を策定しました。この中で打ち出した基本方針「グローバル化の推進」「学生の自立的成長を支援する教育機能の充実」「地域社会に開かれ、人と環境、自然との調和を目指す」のもと、 学生の学修・生活環境の向上、グローバル教育の強化を目的に決定したのが、国際学生寮の設置です。 本学では今年4月に「国際日本学部」を開設し、2021年4月には同学部を含むグローバル系の3学部が集まる都市型の「みなとみらいキャンパス」を開設する予定です。国際学生寮は、キャンパス以外の日常生活においても、異文化交流とコミュニケーション力を養う国際的な環境として位置付けました。 2016年に実施した設計プロポーザルにおいて本学が提示した国際学生寮の役割は、「国内外から集まった学生たちが共同生活を営み、そこでの交流を通じて学生の成長を支援する」というものでした。これを受け、「まちのような国際学生寮」というコンセプトを提示した株式会社オンデザインパートナーズを選定。萬玉直子氏(神奈川大学大学院工学研究科建築学専攻 修了)を意匠担当主任として、キャンパス整備計画委員会の専門委員(本学工学部建築学科建築デザインコース教員)の監修のもと設計に着手しています。 日本各地や海外から多様なバックグラウンドを持つ学生が集まり、食文化や言語、生活スタイルなど、共同生活を通じてお互いに学び合う空間。そんな場として国際学生寮が機能するためには、学生同士のコミュニケーションが固定的なものにならず、新しい発見や出会いのある、まさに“まち”のような空間であることが望まれます。その工夫が建物内の随所に見受けられる国際学生寮となりました。名称は「栗田谷アカデメイア」、学ぶことを厭わない者だけに開かれたプラトンの学園にちなんだものです。[左]Aブロック 1階 リビングストリート キッチン1/1階の「リビングストリート」に設置されたキッチンはイベント時にも使用可能。飲食可能なスペースが隣接し、食文化の交流を促す。ハイスツール [右上]1階 スタジオ1/イス、テーブル、ローテーブル、ソファ[右下]1階 スタジオ2/卓球やストレッチ、ヨガ、ダンスなどが楽しめるリフレッシュ空間。卓球台テーブル、イス、ホワイトボード、ミラー08

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